気がつけばそこに歌が流れていた番外編

オニギリ、疲労困憊の末、こわれる!(・・;)

一切、解説なし、思いついた和歌史の傑作たちを書き連ねる。

ここよりは先に行けない僕のため左折して行け省線電車(福島泰樹)

三田線は高架に出でて果てむとす辛勝も勝ち、奇勝も勝利(三枝昂之)

「生まれたらそこがふるさと」美しき言葉に苦しみ閉じゆく絵本(李正子、イ・チョンジャ)

かなかなの啼くこころざしたとふれば吾(あ)を成しし日の父の悔しさ(大辻隆弘)

都市はもう混沌として人間はみそらーめんのような哀しさ(馬場あき子)

不意に飛び立つものあり神にあらざるやこの朝(あした)屋根は虹色にして(前川佐美雄)

我ら鬱憂の時代を生きて恋せしと碑銘に書かむ世紀更けたり(山中智恵子)

ネズミの巣、片付けながら言うことは「ああそれなのにそれなのにねえ」(斎藤茂吉)

グリム嫌い、イソップ嫌い、父に尻、百叩かれる夢を愛して(塚本邦雄)

ほんとうに俺のもんかよ冷蔵庫の卵置き場に落ちる涙は(穂村弘)

カーテンの向こうは多分雨だけどひばりがさえずるようなフェラチオ(林あまり)

我らかつて魚なりし頃語らいし藻のかげに似たる夕暮れ来る(水原紫苑)

雨蛙進化史上でお前らと別れた朝の雨が降ってる(笹井宏之)

血と雨にワイシャツ濡れている、無援、一人への愛、美しくする(岸上大作)

人間とて金と同じでさびしがりやですから集まるところに集まる(石田比呂志)

不意ということ美しき流れ星、最晩年は明日かも知れず(詠み人知らず)